進路決定についての指針

こんにちは。

今回は、中学校卒業後の進路決定にあたっての指針をまとめてみました。一口に進路といっても様々なものがあるので、参考にしていただけると嬉しいです。

1.進路決定にあたっての心構え

 ・先を見通し、目的意識を持った選択を。

 ・いろいろな要素を踏まえた、生徒自身による選択を。

 ・十分な話し合いと、冷静な選択を。

 ・けじめのある生活と心身の健康を。

 生徒自身の進路の選択、決定には、大変重要なことがあります。それは、どこを選択したかだけに注目しがちですが、どのように選択、決定していったかということに着目しなければなりません。進路選択とは、目の前の進路の選択をすると同時に、自身の選択の能力を高めていくことが大切です。人生の様々な選択を的確に進めていくための第一歩であることを認識してほしいと思います。

 親や教師任せにする子供、教師任せにする親、親の考えだけで決めてしまう親、どの場合も子供のためになりません。進路の選択は、子供自身が調べ、考え、自分で判断し、決定していくことが大切なのです。受験勉強で得た知識よりも、進路を決定していく中で学ぶことの方が、将来、社会に出たときに役立つことと思います。

 では、子供任せがもっとも良い方法なのでしょうか。もちろん、それも間違いです。中学三年生にとって進路選択は、これまでの人生の中で初めての、とても大きな選択です。緊張もあれば、不安もあります。経験もないのですから、ものの見方も狭くなって当然です。子供任せは、目の前の選択を誤ってしまう可能性が考えられます。経験豊かな親や教師、大人の助言が必要になるのです。

2.進路選択にあたって

 中学校が進路指導の方針としてあげられることは、主に次の4点です。

① 高校選択だけでなく、自分の生き方を求めて、中学生の時期としての将来への夢や希望を抱くように援助する。

②  自己の将来の希望に照らして、目的を持って、進学したい学校(高校、専修学校)や就職先を選択するように指導、援助する。

③ 進学志望校の選択にあたっては、日頃の学習成績や適性に基づき援助する。また志望の実現に向けて努力する過程を指導援助する。

④ 生徒が志望先の選択を含め、進路を自己の意志で決定できるように指導、援助する。

3.中学生の進路

中学校を卒業したのち、以下のうちのいずれかを選択することになります。

3.1高等学校

(1) 公立高校

    ① 全日制普通科

       ② 専門教育を主とする学科(職業科)

       ③ 定時制の課程

(2) 私立高校

3.2専門学校

3.2.1専門学校の意義と役割

高等専修学校は実生活に欠かせない様々な職業のための技術や技能の修得、あるいは資格取得を目的とした最も実際的な職業につくための教育機関であり、学校教育制度の中で大きな役割を担っています。

3.2.2専門学校の名称

専門学校と一般に呼ばれていますが、正確には専修学校と各種学校とがあります。専修学校は、「一定以上の規模を持ち、終業年限が1年以上」のもので、それ以外の認可されているものを各種学校と呼びます。

 専修学校には次の3種類の課程があります。

   高等課程 ・・・・・ 中学校卒業を入学資格とする。

   専門課程 ・・・・・ 高等学校卒業を入学資格とする。

   一般課程 ・・・・・ 学歴はとくに限定しない。

3.2.3高等学校と高等専修学校の修業年数

高等学校は各科ともに修業年限が3年であるのに対し、高等専修学校はその教育内容によって修業年限が1~3年とさまざまです。

3.2.4高等学校卒業資格

一般には高等専修学校に在籍する生徒が、通信制を持つ高等学校に在籍し、通信教育によって、高等学校の卒業資格を取得するというものです。通信制の修業年数は、高等学校によって、4年かかるところと3年間で取得できるところとがあります。また、通信制を持つ私立高校は授業料も公立高校に比べて高く、専門学校自体の授業料と併せて負担しなければならなくなります。(一般には、私立高校の方が単位が取得しやすく、3年間で卒業できるところが多い。)

3.2.5大学入学資格

高等専修学校の中で、大学入学資格取得認可校の3年課程の終了者には、大学入学資格が与えられています。(高等課程卒業者が資格を取得できる)。

3.3就職

 社会に出て働くということは、人間が毎日生活していくための活動です。そして、働くために職業につくわけです。では、職業を選択するときに、どんなことを考慮していけばよいのでしょうか。

3.3.1まず”自分”を知ること

 最も大切なことは、いかにして自分にあった職業を選択するかということです。先にも書きましたが、働くということは生活していくための活動ですから、”給料をいくらもらえるか”ということも選択する際の重要な条件の一つには違いありません。けれども、そのために好きでもない仕事につくのでは、長続きはしないと思います。どんなにつらいことがあっても、”自分で好きで選んだ仕事なんだ”という誇り、自信がもてるような職業を選びたいものです。

働くということについて自分はどの程度の熱意を持っているかを考えてみることも必要です。職業を選択するときには、これがいちばん大切なことではないでしょうか。

3.3.2職業を選ぶ前に

 実社会に出る方法には3つの道があります。

  ① 職場にはいって働く。

  ② 職場の養成機関で学び、職場にはいる。

  ③ 職業訓練校や各種学校で技術を身につけてから職場にはいる。

 この3つをもう少し詳しく説明すると、

①は、普通の就職になるわけで、これが今まで1番多いケースです。入社すると同時に仕事を始め、仕事をしながらその仕事を覚えていくのです。

②は、事業所内に職業訓練所を持っている事業所に訓練生として入社するケースです。その事業所の仕事に必要な技術の修得を主としたねらいとするもので、3年間の訓練期間を定めているところが多いようです。社員として入社しているのですから、この訓練期間中も給与は支給されるわけです。

 ③は、事業にはいる前に一応の技術を身につけておけば、入った最初から専門的な仕事ができるわけで、給与も中学を出てすぐ入社するより多少よくなるわけです。また、この場合は入社するまでにある技術に自分が適しているかどうか選択できるわけですから、入社してからその職は自分に向いていなかったという悩みは少ないわけです。

4.進路決定の指針

高校全日制の課程の中にも、普通科・工業科・農業科・商業科・園芸科・衛生看護科・美術科・・・・音楽科・理数科・英語科・国際科・総合学科など数多くの学科やコースがあります。また、その他の進路にも多種多様な学科や職業があります。そのための手順を以下にまとめてみました。

4.1生徒の将来

 1 将来どんな人生を送りたいか考えてみる。

 2 めざす職業と関連させる。

 3 目的意識や目標を明確にして将来を計画する。

 4 今、大切なことは何かを考える。

4.2自己理解

1 個性を知り、適性を考える。

進路決定後「こんなはずではなかった」「自分に合わない」などによる進路変更が増加しています。自分の長所・適性・得意・不得意などを十分理解した上で、進路選択したいものです。

  2 家庭の条件を考える。

 世間の風評に迷うことなく、親が子供の希望を理解し、子供も親の願いを理解することです。経済的な面では奨学金の利用などが考えられます。

  3 健康状態・身体の強さ・体力をもとに通学、通勤の所要時間を考える。

4.3情報収集

進路に関する様々な情報を活用することが大切です。「学校の掲示コーナー」「進路通信」「高校のパンフレット」「中学生活と進路」「市販の高校受験案内」等に関心をもつこと、また先生や先輩などの話に耳を傾けたり、実際に進路希望先を訪ねてみることも大切です。

4.4教師のアドバイス

1 家庭や教師(学校)との話し合いを大切に

進路に関する情報は、氾濫しています。いろいろな角度から、多くの資料をもとに進路決定をしてください。

   2 自己理解が不十分な生徒について

自己理解が不十分な生徒については、保護者や教師の助言が相当必要です。先生も市内の進学主任会、高校説明会、職業安定所との打ち合わせ、職場見学などに参加し、進路情報を最大限に集め、連絡検討を重ねています。保護者の方も生徒とともに高校説明会、一日体験入学、職場見学などへ積極的に参加してください。

4.5生徒の決定

1 進路の決定は本人の意思で

進路先の選択と決定は、最終的に本人の意思と責任で行わせることが望ましく、義務教育最後の進路決定を自分の成長の糧とすべきです。

2 家庭での話し合い

自分の人生は、自分の考えと努力によって切り開くものです。生徒が目標を立て、努力し進路決定できるように良きアドバイザー、協力者になることが大切です。

5.進学先の決定にあたって

 毎年問題になっていることとして高校の中退問題があります。しかし、近年は高校の先生方の努力の成果が現れ、年々減少していく傾向にありますが、中途退学していく生徒はなくなっていません。

 中でも高校1年生がもっとも多く、高校の先生方から話を伺いますと、次のような原因があげられます。

・進学の動機があいまいであること。

・自分の興味関心、適性を充分把握していないこと。

・学校、学科の選択に生徒の自主性がないこと。(学校や学科に対する理解不足)

・将来の進路との関係がないこと。

 高校に合格することだけが目標になっていて、それから先についての目標や考えがしっかりしていないということのようです。高校ならどこでも良いという考えではいけません。そこで何がやりたいのか、そこで何に目標を見いだそうとしているのか。そのようなことさえ考えようとしないのが問題です。

5.1選択のポイント

①校風、教育方針、課程

 特に大切です。自由な校風がだらしなく感じられることもありますし、服装、礼儀などがきちんとしていることが、堅苦しさを感じさせることもあります。学校により教育課程が大きく異なります。何を学習するのか、また高校側からすると、どのような生徒に育てようとしているのかは大切なことです。

②費用

 公立か私立かで、かかる費用がかなり違ってきます。また、公立高校であっても制服や部活動にかかる費用もありますから、前もって計画しておくことが大切です。

③卒業生の進路

学校によって、卒業生の進路は大きく異なります。自分の進路計画と照らし合わせることが大切です。(短大、大学への優先制度)

 ④部活動、学校行事、服装

 やりたい部活動がない高校に入学しても仕方ありません。あるかないかだけでなく、実績も調べておきましょう。

⑤通学方法と所要時間

高校では、遅刻・欠席が多いと進級、卒業に大きく影響します。交通の便についてもよく調べておくことが大切です。

⑥施設設備・資格免許の取得・留学制度など。

5.2情報収集の方法

①学校の先生に聞く。

②高校などから案内書、パンフレットを送ってもらったり取りに行く。

③高校見学会、体験入学の機会を利用する。

④高校見学に行く。

⑤卒業生、高校在学生の話を聞く。

夏休み、土曜日の午後、日曜日などを中心に学校説明会、入試説明会等が保護者、生徒対象に開かれています。突然訪問するよりも、前もって電話をしておくと良いでしょう。また、中学校に案内が来ている学校については、進路通信、学級の進路 コーナーや進路室前の掲示物を利用し、生徒に連絡するので活用してください。

5.3合格の可能性

定期テスト、実力テスト、三年間の生活のようす、過去の卒業生のデーター、進学主任会の情報をもとに考えます。しかし、受験校の決定はあくまで本人と保護者の考えで決めるものです。

5.4高校選択の手順

① 受験校希望 6月~7月

② 二者、三者面談 7月~1月

③ 受験校の決定 11月~12月

④ 出願書類の手配  10月~11月

⑤ 出願書類の確認 11月~12月

⑥ 願書の記入(本人)調査書の作成 11月~1月

⑦  願書、調査書の提出 12月~2月

⑧ 受験者打ち合わせ 1月~2月

⑨ 受験 1月~2月

⑩ 発表 1月~3月

⑪ 手続き 1月~3月

6.まとめ

 いかがだったでしょうか。今回は進路決定についてまとめてみました。中学校卒業後の進路というと主に高等学校への進学となるかと思いますが、ほかにも様々な進学先があります。また、高等学校によっても費用や教育方針などの面でかなり違いがありますので、しっかりと調べて後悔のない進路決定をしましょう。

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